走り続け、眠る前に
「テメーら、スカすのもいい加減に…」
先ほどのオールバックの男が前に出ようとすると、それを岡田先輩が止めた。
「いいよ、政信。
こういうやつらは何回やっても変わらねえよ。
そうだろ、お前ら」
達也達は岡田先輩の問いかけに、ニコッと微笑んだ。
「…でもよ、八代。
これだけは覚えとけよ。
上級生に勝ったなんて事はよ、別に自慢にはならねえんだ。
先輩に勝てる後輩なんて、いくらでもいるけどよ、
ただ、やらねえだけなんだ。
それがこの世界のセオリーなんだよ」
「………。」