走り続け、眠る前に
先月辺りから、私の家に学校の担任から何度か電話が入り、留守電も二回入れられる事があった。
内容は聞かなくても分かる。
部活や授業に顔を出さなくなった事。
留守電は二回とも親が聞く前に私が消した為、両親は未だに私が学校や部活をサボってる事に気付いていなかった。
「マジ?私なんか最近、毎日の様に喧嘩なんすけど。
母ちゃんと喋んないの?」
「…うん」
「何で?」
「………。」
とっさに答えが思い浮かばなかっただけで、別に夏美や静香に話せない事なんか何も無かったが、
そんな私を横目でチラッと見た静香が、質問を繰り返される私に気を利かせたのか、夏美の質問を遮った。
「夏美、お前の番だよ。
間違ってキングボンビー付けちまった」
「あ!何すんだテメー」
夏美がコントローラーを持ち画面に視線を移すと、静香がニコッと笑いかけてきた。