クールな身代わり王女は、騎士の熱愛に気づけない
セイラに扮したノキアの前に現れたのは、白いスーツ姿の優男だった。一見、爽やかで整った顔立ちに思わず目がいくが、どこか軽さを感じる笑顔が引っかかる。
「きゃあ、アルバート様よ」
「今日も見目麗しいわ」
「アルバート様とセイラ様のダンスが見られるなんて、夢見たい!」
会場のあちこちから歓声が上がる中、ノキアはわずかに眉をひそめた。
「アイゼンブルグの王子よ。女好きで有名だから注意して。一応婚約者だから、とりあえず踊ってあげて!」
背後から、ひそひそと注意する声と共に肘で軽く突かれる。「一応」を強調された辺りにノキアは苦笑しつつ、王子の手を取り立ち上がる。不安そうに振り返ると、セイラがにっこりと笑って手を振っていた。
その様子を見ていた、デュランが眉を動かした。
「スタン殿、あの男は……?」
「ああ、彼は隣国の王子だす。姫様と婚約を交わしている仲なのだすが、口上だけで、まだ正式に婚約者というわけではないのだすが……。まあ、向こうの一方的な片思いだすけどね。姫様は、彼を嫌っていますし」
それを聞いて、デュランはしばらく様子を見ようと、再び壁にもたれかかった。
「きゃあ、アルバート様よ」
「今日も見目麗しいわ」
「アルバート様とセイラ様のダンスが見られるなんて、夢見たい!」
会場のあちこちから歓声が上がる中、ノキアはわずかに眉をひそめた。
「アイゼンブルグの王子よ。女好きで有名だから注意して。一応婚約者だから、とりあえず踊ってあげて!」
背後から、ひそひそと注意する声と共に肘で軽く突かれる。「一応」を強調された辺りにノキアは苦笑しつつ、王子の手を取り立ち上がる。不安そうに振り返ると、セイラがにっこりと笑って手を振っていた。
その様子を見ていた、デュランが眉を動かした。
「スタン殿、あの男は……?」
「ああ、彼は隣国の王子だす。姫様と婚約を交わしている仲なのだすが、口上だけで、まだ正式に婚約者というわけではないのだすが……。まあ、向こうの一方的な片思いだすけどね。姫様は、彼を嫌っていますし」
それを聞いて、デュランはしばらく様子を見ようと、再び壁にもたれかかった。