クールな身代わり王女は、騎士の熱愛に気づけない
部屋には、ノキアとデュラン、セイラと大臣だけであった。スタンは、廊下で待っている。
大臣は、自慢のヒゲを整えながら話し始めた。
「スタンから聞いたのじゃが……お主、ミタの剣術の使い手だそうじゃな?」
それを聞いて、デュランはしまったと、顔をしかめた。昨日、スタンと勝負をする時に、うっかりと口にしてしまい、口止めするのを忘れていた。ノキアは、心配そうにデュランを見ている。
「訳あって、そのことは隠しております。ご内密にお願いします」
「うむ、いいじゃろう。こちらからもお願いがあるのじゃ」
「なんでしょう?」
ノキアが訊ねると大臣は立ち上がり、部屋を歩きながら説明し始めた。
「実は……重要書類が盗まれたようでな。おそらく、昨日のパーティーの間にと思うのじゃが。あー、お主たちのことは疑っておらんよ。パーティーの間はずっと会場にいたと言うし、その後は警備も厳重になっておるからな」
「それで……お願いというのは……」
「要は、その重要書類を取り返してほしいってことなのよね」
セイラが、軽い口調で間に入ってきた。
「姫様! それはワシの台詞ですぞ! うむ、まあ、そういうことなのじゃ。お主を、ミタの剣術の使い手と見込んでな」
大臣は、自慢のヒゲを整えながら話し始めた。
「スタンから聞いたのじゃが……お主、ミタの剣術の使い手だそうじゃな?」
それを聞いて、デュランはしまったと、顔をしかめた。昨日、スタンと勝負をする時に、うっかりと口にしてしまい、口止めするのを忘れていた。ノキアは、心配そうにデュランを見ている。
「訳あって、そのことは隠しております。ご内密にお願いします」
「うむ、いいじゃろう。こちらからもお願いがあるのじゃ」
「なんでしょう?」
ノキアが訊ねると大臣は立ち上がり、部屋を歩きながら説明し始めた。
「実は……重要書類が盗まれたようでな。おそらく、昨日のパーティーの間にと思うのじゃが。あー、お主たちのことは疑っておらんよ。パーティーの間はずっと会場にいたと言うし、その後は警備も厳重になっておるからな」
「それで……お願いというのは……」
「要は、その重要書類を取り返してほしいってことなのよね」
セイラが、軽い口調で間に入ってきた。
「姫様! それはワシの台詞ですぞ! うむ、まあ、そういうことなのじゃ。お主を、ミタの剣術の使い手と見込んでな」