クールな身代わり王女は、騎士の熱愛に気づけない
 デュランは、そっとノキアの手を取った。優しい手に包まれたノキアは、少し驚いてデュランを見上げると、その瞳は真剣だった。

「マクレガーの姓を……名乗ってはいただけませんか」
「つまり、家族になる、と?」
「そうです。ダメでしょうか……?」

 懇願するように言われ、ノキアは一瞬考える。デュランとは長い時間を共に過ごしてきた。剣術の同志であり、すでに家族のような存在だとも思っていた。そのため、改めて言われることの意味がわからなかった。

「ダメ……では、ない。しかし、そうか……デュランと義兄妹になるとは……」
 そう言うと、デュランは困惑したように額に手を当てて声を上げた。

「ああ、もう!」
 デュランは焦れたように、その感情を抑えきれず、勢いよくノキアに口付けをした。
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