クールな身代わり王女は、騎士の熱愛に気づけない
2・王女様と入れ替わり?
「王女様体験って……あなた、一体?」
ノキアは、いぶかしげにセイラを見た。セイラは、胸を張り自信ありげな態度で言う。
「ああ、言ってなかったわね。わたし、このリザンブルグの王女なの。お城の生活が退屈で退屈で、時々このスタンを用心棒にして、お城を抜け出しているのよね。で、今日もお祭りに便乗して、お城でパーティーがあるの。でも貴族のパーティーってお付き合いも必要だし……わたし、苦手なのよ。で、そこであなたに代わりに行ってもらおうかと……」
「断る」
ノキアは間髪いれずに答え踵を返し、その場を立ち去ろうとするが……。
(……しまった、本当に王女様だとしたら、今の態度は無礼だったか?)
王女に対してあまりに率直で失礼な態度を取ってしまったことに気づき、わずかに顔をしかめる。セイラが力強くノキアの腕を掴んできたので、まずい、と思った。
「そんなぁー! そんなこと言わずに、今日だけでいいから! そ、それにほら、あなたたち、旅人なんでしょ? 今から宿を取ろうと思っても、どこもいっぱいよ? それに比べて、お城はふかふかのベッドとあたたかい食事だし……人助けだと思って、ね?」
てっきり無礼に対して怒られるのかと思って、拍子抜けした。
セイラは、掴んでいる手に力を込めてくる。あまりの熱意にノキアは困り果て、デュランに助けを求めた。
「デュラン、どうしよう……」
「私は、あなたの意志にしたがいますよ。お好きになさってください」
「おまえ……楽しんでいるだろ……」
「いいえ」
デュランの口元が、かすかに上向いていた。
ノキアは、いぶかしげにセイラを見た。セイラは、胸を張り自信ありげな態度で言う。
「ああ、言ってなかったわね。わたし、このリザンブルグの王女なの。お城の生活が退屈で退屈で、時々このスタンを用心棒にして、お城を抜け出しているのよね。で、今日もお祭りに便乗して、お城でパーティーがあるの。でも貴族のパーティーってお付き合いも必要だし……わたし、苦手なのよ。で、そこであなたに代わりに行ってもらおうかと……」
「断る」
ノキアは間髪いれずに答え踵を返し、その場を立ち去ろうとするが……。
(……しまった、本当に王女様だとしたら、今の態度は無礼だったか?)
王女に対してあまりに率直で失礼な態度を取ってしまったことに気づき、わずかに顔をしかめる。セイラが力強くノキアの腕を掴んできたので、まずい、と思った。
「そんなぁー! そんなこと言わずに、今日だけでいいから! そ、それにほら、あなたたち、旅人なんでしょ? 今から宿を取ろうと思っても、どこもいっぱいよ? それに比べて、お城はふかふかのベッドとあたたかい食事だし……人助けだと思って、ね?」
てっきり無礼に対して怒られるのかと思って、拍子抜けした。
セイラは、掴んでいる手に力を込めてくる。あまりの熱意にノキアは困り果て、デュランに助けを求めた。
「デュラン、どうしよう……」
「私は、あなたの意志にしたがいますよ。お好きになさってください」
「おまえ……楽しんでいるだろ……」
「いいえ」
デュランの口元が、かすかに上向いていた。