昔私をいじめていた御曹司と再会したら溺愛されました〜夜空に咲く花火よりも綺麗な君の笑顔に恋をした〜
入学式
兎谷学園は幼稚舎から大学まであるエスカレーター式の学校だ。通っているのはお金持ちから一般家庭の子まで様々だが、比較的裕福な家の子が多いように思う。
そのおかげか、初等部からの持ち上がりがたくさんいるようだ。
私は入学式が行われている小講堂で、キョロキョロと小さく視線を動かした。
良かった。見知った顔が何人かいるわ。
もう高校生だし子供時代の面影が残っていなくて皆のことが分からなかったらどうしよう……と心配していたが、案外分かるものだなと、私はホッと胸を撫で下ろした。
まあ、そうよね。柚木くんのことも分かったんだもの。大丈夫か……
先日のことを思い出して苦い気持ちになったとき、後ろから肩をトントンと叩かれる。振り返ると、焦茶色の髪がふわりと揺れて、満面の笑みが向けられた。
あ、もしかしてあやめちゃん、かな?
「ねぇ、結菜だよね。四年生までここにいた」
「うん」
「良かったぁ。間違ってたらどうしようかとドキドキしちゃった。私、一条あやめ。初等部のときに一緒だったんだけど覚えてる?」
「もちろん覚えてるよ。会えて嬉しい!」
やっぱり昔よく遊んだあやめちゃんだったみたいで、心が弾む。それは彼女もらしく、とても喜んでくれている。
そのおかげか、初等部からの持ち上がりがたくさんいるようだ。
私は入学式が行われている小講堂で、キョロキョロと小さく視線を動かした。
良かった。見知った顔が何人かいるわ。
もう高校生だし子供時代の面影が残っていなくて皆のことが分からなかったらどうしよう……と心配していたが、案外分かるものだなと、私はホッと胸を撫で下ろした。
まあ、そうよね。柚木くんのことも分かったんだもの。大丈夫か……
先日のことを思い出して苦い気持ちになったとき、後ろから肩をトントンと叩かれる。振り返ると、焦茶色の髪がふわりと揺れて、満面の笑みが向けられた。
あ、もしかしてあやめちゃん、かな?
「ねぇ、結菜だよね。四年生までここにいた」
「うん」
「良かったぁ。間違ってたらどうしようかとドキドキしちゃった。私、一条あやめ。初等部のときに一緒だったんだけど覚えてる?」
「もちろん覚えてるよ。会えて嬉しい!」
やっぱり昔よく遊んだあやめちゃんだったみたいで、心が弾む。それは彼女もらしく、とても喜んでくれている。