昔私をいじめていた御曹司と再会したら溺愛されました〜夜空に咲く花火よりも綺麗な君の笑顔に恋をした〜
 そしてその後は恙なく入学式が終わり、教室へ移動する。私もあやめちゃんも一年二組だ。担任の先生が来るまでの間、あやめちゃんが初等部時代の友達に声をかけてくれる。

「おかえり。また会えて嬉しいわ」
「手紙送れなくてごめんね」
「ううん、毎年年賀状くれてたじゃないの。すごく嬉しかったよ」

 そんな会話を交わして、「またよろしくね」と抱き合っていると先生が入ってくる。

 慌てて席に着くが、先生が激励の言葉や学校生活を過ごす上での注意点を話している間も、どこか心がふわふわと浮き立ったままだった。


「よし、じゃあ。自己紹介しようか」

 えっ……!?

 先生のひと言にハッとする。先ほどまで浮き立っていた心が、突然焦った。

 こういうのは苦手なのにどうしよう……!

 ソワソワしながら、皆の自己紹介を聞く。
 名前だけを言う子もいれば好きなことや中学のときから続けている部活について話す子もいて様々だった。
 
 なので私も名前を言ったあと、ここで小四まで過ごしたことを話して、また仲良くしてくださいと頭を下げた。
 すると、皆が拍手をしてくれ「覚えてるよ」「またよろしくね」なんて言ってくれる。

 やっぱりここは、あたたかいままだ。
 帰ってきて良かった。

 外では鳥のさえずりが聞こえる。暖かく穏やかな風が、まるで私たちの新生活をお祝いしてくれているようだった。
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