人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
第1部(現役時代):食品会社へ就職~支社長就任~新たな挑戦~酷い仕打ち~作家修業
♪ プロローグ ♪
雨だった。
涙雨?
いや、過去を洗い流してくれる恵みの雨に違いないと思った。
卒業に寄り添ってくれる雨があってもいいと思った。
いつもの朝食だった。
ご飯とみそ汁と納豆と切り身魚。
しかし、今日は2品が特別だった。
納豆の上にはネバネバのモロヘイヤが乗り、切り身魚は大好物の鮭、それも、分厚い紅鮭の切り身だった。
余りのおいしさに頬が落ちそうになった。
一口一口噛みしめながら、好物をわかってくれている妻のさり気ない優しさに胸が熱くなった。
心の中で感謝しながら食事を終えた。
身支度を整え、玄関で靴を履いていると、妻が車で送ると言い出した。
珍しいことだった。
でも嬉しかった。
出社最終日に対する気遣いが心に沁みた。
大通りはスムーズに流れていた。
しかし一方通行の路地に入ると、雨合羽を着て自転車に乗っている人やビニール傘を斜めにして足を速めている人たちが目立つようになり、接触を避けるためか妻の運転が慎重になった。
でも、スピードを落としてくれたおかげで車窓から見える紫陽花をゆっくりと見ることができた。
雨に濡れて、とてもきれいだった。
駅へ向かうこの通りは今まさに満開で、紫、青、水色、ピンク、赤、白、いろんな色の紫陽花がわたしを見送ってくれた。
雨だった。
涙雨?
いや、過去を洗い流してくれる恵みの雨に違いないと思った。
卒業に寄り添ってくれる雨があってもいいと思った。
いつもの朝食だった。
ご飯とみそ汁と納豆と切り身魚。
しかし、今日は2品が特別だった。
納豆の上にはネバネバのモロヘイヤが乗り、切り身魚は大好物の鮭、それも、分厚い紅鮭の切り身だった。
余りのおいしさに頬が落ちそうになった。
一口一口噛みしめながら、好物をわかってくれている妻のさり気ない優しさに胸が熱くなった。
心の中で感謝しながら食事を終えた。
身支度を整え、玄関で靴を履いていると、妻が車で送ると言い出した。
珍しいことだった。
でも嬉しかった。
出社最終日に対する気遣いが心に沁みた。
大通りはスムーズに流れていた。
しかし一方通行の路地に入ると、雨合羽を着て自転車に乗っている人やビニール傘を斜めにして足を速めている人たちが目立つようになり、接触を避けるためか妻の運転が慎重になった。
でも、スピードを落としてくれたおかげで車窓から見える紫陽花をゆっくりと見ることができた。
雨に濡れて、とてもきれいだった。
駅へ向かうこの通りは今まさに満開で、紫、青、水色、ピンク、赤、白、いろんな色の紫陽花がわたしを見送ってくれた。