人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
ん?
突然鳴ったチャイムに、我に返った。
顔を上げると、壁に掛けてある丸時計が12時を指していた。
長いこと思い出に浸っていたようだ。
ふ~、
不意に大きな息が漏れた。
パソコン画面に目を戻して、『支社長の喜怒哀楽日記』という乾から送信されたメールに手を這わせた。
ありがとう、
囁くように口に出して頭を下げた。
そして、〈君のお陰で自分の想いを表現する楽しさに目覚めることができた。プロになれるかどうかわからないが、小説を書く喜びを知ることができた。これも、あの時君が勧めてくれたお陰だ。本当にありがとう〉と感謝の言葉を胸のうちで呟いた。
すると乾の顔が一瞬浮かんできたが、別れを告げるようにスーッと消えた。
それに促されるように二つ目のメールを削除した。
あと一つか……、
最後のメールを開けた。
タイトルは、『バカ野郎!』だった。
現支社長宛てのメールだった。
しかし、発信はしなかった。
《下書き》のフォルダにとどめていた。
本文には、『バカ野郎!』という文字が99個連なっていた。
そのフォントが煮えくり返っていた。
それを見ていると、あの時の支社長のクソ顔とクソ声が蘇ってきた。
突然鳴ったチャイムに、我に返った。
顔を上げると、壁に掛けてある丸時計が12時を指していた。
長いこと思い出に浸っていたようだ。
ふ~、
不意に大きな息が漏れた。
パソコン画面に目を戻して、『支社長の喜怒哀楽日記』という乾から送信されたメールに手を這わせた。
ありがとう、
囁くように口に出して頭を下げた。
そして、〈君のお陰で自分の想いを表現する楽しさに目覚めることができた。プロになれるかどうかわからないが、小説を書く喜びを知ることができた。これも、あの時君が勧めてくれたお陰だ。本当にありがとう〉と感謝の言葉を胸のうちで呟いた。
すると乾の顔が一瞬浮かんできたが、別れを告げるようにスーッと消えた。
それに促されるように二つ目のメールを削除した。
あと一つか……、
最後のメールを開けた。
タイトルは、『バカ野郎!』だった。
現支社長宛てのメールだった。
しかし、発信はしなかった。
《下書き》のフォルダにとどめていた。
本文には、『バカ野郎!』という文字が99個連なっていた。
そのフォントが煮えくり返っていた。
それを見ていると、あの時の支社長のクソ顔とクソ声が蘇ってきた。