人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
バンドのメンバーが登場した。
ギターとベースとドラム。
全員、名の知れた一流のジャズ・ミュージシャンだった。
彼らが彼女を一斉に見つめた時、彼女がウインクした。
「スウィングしましょう」
軽快な曲が始まった。
『IT`s Love』
恋する女性の気持ちを、その高鳴る胸の鼓動を、喜びに満ちた声で歌い上げる。
間奏のギター・ソロもピアノ・ソロもノリノリで、観客も体を揺らしている。
隣の妻も楽しそうに手拍子を打っている。
アップ・テンポの曲が3曲ほど続いたあと、彼女がバンドメンバーの紹介をすると、一人一人に大きな拍手が送られた。
それが静まると、「今度はちょっと怖いお話の曲よ」と眉を寄せて話し始めた。
「冬の朝、ある女性が道端で凍え死にそうになっている蛇を見つけたの。可愛そうに思った彼女は、自分の家に蛇を連れて帰ったの。すると、体が温まった蛇は元気になったの。そうしたら、そうしたら……、蛇は彼女に噛みついたの。助けてくれた彼女を噛んだの。何故だと思う?」
悪戯っぽい目を観客に向けた。
「蛇だからよ」
会場から笑いが漏れた。
と同時に、ベースが独特なリフを奏で始めた。
すると、ドラマーとギタリストが、ベースのリズムに合わせて指を鳴らし始めた。
ベースの演奏とフィンガースナップだけをバックに彼女が歌い始めた。
蛇を助けた、優しくて可哀そうな女性を憐れむように。
演奏が終わると、「『The Snake』でした。くれぐれも蛇には気をつけてね」とまた悪戯っぽく笑ったが、すぐにバックの三人に向き直って、「あなたたちは、ちょっと休んでてね」とウインクした。
ギターとベースとドラム。
全員、名の知れた一流のジャズ・ミュージシャンだった。
彼らが彼女を一斉に見つめた時、彼女がウインクした。
「スウィングしましょう」
軽快な曲が始まった。
『IT`s Love』
恋する女性の気持ちを、その高鳴る胸の鼓動を、喜びに満ちた声で歌い上げる。
間奏のギター・ソロもピアノ・ソロもノリノリで、観客も体を揺らしている。
隣の妻も楽しそうに手拍子を打っている。
アップ・テンポの曲が3曲ほど続いたあと、彼女がバンドメンバーの紹介をすると、一人一人に大きな拍手が送られた。
それが静まると、「今度はちょっと怖いお話の曲よ」と眉を寄せて話し始めた。
「冬の朝、ある女性が道端で凍え死にそうになっている蛇を見つけたの。可愛そうに思った彼女は、自分の家に蛇を連れて帰ったの。すると、体が温まった蛇は元気になったの。そうしたら、そうしたら……、蛇は彼女に噛みついたの。助けてくれた彼女を噛んだの。何故だと思う?」
悪戯っぽい目を観客に向けた。
「蛇だからよ」
会場から笑いが漏れた。
と同時に、ベースが独特なリフを奏で始めた。
すると、ドラマーとギタリストが、ベースのリズムに合わせて指を鳴らし始めた。
ベースの演奏とフィンガースナップだけをバックに彼女が歌い始めた。
蛇を助けた、優しくて可哀そうな女性を憐れむように。
演奏が終わると、「『The Snake』でした。くれぐれも蛇には気をつけてね」とまた悪戯っぽく笑ったが、すぐにバックの三人に向き直って、「あなたたちは、ちょっと休んでてね」とウインクした。