人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
妻が40歳になった時、わたしは初めてコンドームを付けた。
それには理由があった。
妊娠の可能性がゼロではないということと、高齢で出産すると危険性が高まるということだった。
もし万が一妻が40歳を超えて妊娠したら、それはとても嬉しい半面、多くの危険を内包することになる。
母体や胎児へのリスクが高まり、難産や流産の確率も高くなる可能性を否定することはできない。
だから、妻とは何度も話し合った。
数えきれないくらい話し合った。
それでもなかなか合意には達せず、子供を諦めきれない妻は最後まで難色を示したが、危険に晒したくないという説得に最後は折れてコンドームの装着を受け入れた。
10年以上妊娠しなかったのだからこれからもないだろうと思う人もいるかもしれないが、万が一のことを考えると、そんな危険を冒すことはできなかった。
しかしそれは子供を諦めるという宣言以外の何物でもなかった。
話し合って納得してくれた妻だったが、いざわたしがコンドームを付けようとした時、口に右手を当てて目に涙を浮かべた。
それだけではなく、今まで一度も聞いたことのないようなくぐもった声が喉の奥から発せられた。
幾度も発せられた。
それは悲痛というものを超えているように感じた。
急速に萎えたわたしにコンドームは必要なくなった。
妻を抱き締めたまま二人で泣いた。
それには理由があった。
妊娠の可能性がゼロではないということと、高齢で出産すると危険性が高まるということだった。
もし万が一妻が40歳を超えて妊娠したら、それはとても嬉しい半面、多くの危険を内包することになる。
母体や胎児へのリスクが高まり、難産や流産の確率も高くなる可能性を否定することはできない。
だから、妻とは何度も話し合った。
数えきれないくらい話し合った。
それでもなかなか合意には達せず、子供を諦めきれない妻は最後まで難色を示したが、危険に晒したくないという説得に最後は折れてコンドームの装着を受け入れた。
10年以上妊娠しなかったのだからこれからもないだろうと思う人もいるかもしれないが、万が一のことを考えると、そんな危険を冒すことはできなかった。
しかしそれは子供を諦めるという宣言以外の何物でもなかった。
話し合って納得してくれた妻だったが、いざわたしがコンドームを付けようとした時、口に右手を当てて目に涙を浮かべた。
それだけではなく、今まで一度も聞いたことのないようなくぐもった声が喉の奥から発せられた。
幾度も発せられた。
それは悲痛というものを超えているように感じた。
急速に萎えたわたしにコンドームは必要なくなった。
妻を抱き締めたまま二人で泣いた。