人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
食事以外も楽しいことばかりだった。
朝市に行ったり、午後はのんびり海を見たり、砂浜の木陰に寝そべって読書をしたり、ぶらぶらと当てもなく散歩をしたり、誰にも、なんにも縛られず、自分たちのペースで過ごした。
8日目の午後、いつものように海辺を歩いている時だった。
「あっ、トップレス!」
妻の声にわたしはすぐに反応した。
「どこ?」
妻が指差した方を必死で探した。
「どこ、どこ?」
しかし、そんな姿はどこにもなかった。
それでも探していると、「嘘よ」と妻が笑ってから、舌を出した。
「えっ、嘘って……」
思わず顔が火照った。
かなり恥ずかしかった。
「もう……」
妻の腕を肘で突いた。
「騙される方が悪いんだ~」
妻がアッカンベーのような仕草をして、わたしから逃げるように足を速めた。
「コラ!」
わたしはすぐに追いかけた。
海岸沿いのヤシの木を縫うように追いかけっこを続けた。
息が上がるまでそれは続いた。
こんな他愛もないことで毎日ふざけあった。
気のせいか、妻が少し若くなったように感じた。
もっと早く連れて来てあげたらよかったと思った。
少し後悔したが、これからでも挽回できると思い直した。
捕らぬ狸の皮算用とわかってはいるが、作家としてデビューしてある程度の印税が入ったらいろんな所へ連れて行こうと心に誓った。
朝市に行ったり、午後はのんびり海を見たり、砂浜の木陰に寝そべって読書をしたり、ぶらぶらと当てもなく散歩をしたり、誰にも、なんにも縛られず、自分たちのペースで過ごした。
8日目の午後、いつものように海辺を歩いている時だった。
「あっ、トップレス!」
妻の声にわたしはすぐに反応した。
「どこ?」
妻が指差した方を必死で探した。
「どこ、どこ?」
しかし、そんな姿はどこにもなかった。
それでも探していると、「嘘よ」と妻が笑ってから、舌を出した。
「えっ、嘘って……」
思わず顔が火照った。
かなり恥ずかしかった。
「もう……」
妻の腕を肘で突いた。
「騙される方が悪いんだ~」
妻がアッカンベーのような仕草をして、わたしから逃げるように足を速めた。
「コラ!」
わたしはすぐに追いかけた。
海岸沿いのヤシの木を縫うように追いかけっこを続けた。
息が上がるまでそれは続いた。
こんな他愛もないことで毎日ふざけあった。
気のせいか、妻が少し若くなったように感じた。
もっと早く連れて来てあげたらよかったと思った。
少し後悔したが、これからでも挽回できると思い直した。
捕らぬ狸の皮算用とわかってはいるが、作家としてデビューしてある程度の印税が入ったらいろんな所へ連れて行こうと心に誓った。