人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
すべきことが全部終わったので、早めの昼食を取った。
納豆と鮭の塩焼きとキュウリの一夜漬けと味噌汁。
完食すると、習慣になっている食後のコーヒーを飲み干し、「郵便局へ行ってくる」と妻に告げた。
すると、妻は頷いたが、すぐに立ち上がって意外なことを口にした。
「一緒に行くから、ちょっと待ってて」
言うなり食器を台所に運んで洗い物を始めたので、自室で待とうかと思ったが、思い直して台所へ行き、妻の横に立った。
「わたしが拭くよ」
「えっ」
妻の目が真ん丸になった。
今までそんなことをしたことがなかったので当然の反応だったが、妻は泡の付いた手を止めたままわたしから視線を外さなかった。
「これからは家事を手伝うから」
照れを隠すようにボソッと告げた。
それからあとは、妻が洗った食器を布巾で拭き続けた。
その間、水道水で濯ぐ音と布巾で拭く音と拭いた食器をカウンターに並べる音しかしなかったが、それはわたしたちの新たな生活様式を祝福しているように感じた。
妻の横顔には柔らかな笑みが浮かんでいるように見えた。
納豆と鮭の塩焼きとキュウリの一夜漬けと味噌汁。
完食すると、習慣になっている食後のコーヒーを飲み干し、「郵便局へ行ってくる」と妻に告げた。
すると、妻は頷いたが、すぐに立ち上がって意外なことを口にした。
「一緒に行くから、ちょっと待ってて」
言うなり食器を台所に運んで洗い物を始めたので、自室で待とうかと思ったが、思い直して台所へ行き、妻の横に立った。
「わたしが拭くよ」
「えっ」
妻の目が真ん丸になった。
今までそんなことをしたことがなかったので当然の反応だったが、妻は泡の付いた手を止めたままわたしから視線を外さなかった。
「これからは家事を手伝うから」
照れを隠すようにボソッと告げた。
それからあとは、妻が洗った食器を布巾で拭き続けた。
その間、水道水で濯ぐ音と布巾で拭く音と拭いた食器をカウンターに並べる音しかしなかったが、それはわたしたちの新たな生活様式を祝福しているように感じた。
妻の横顔には柔らかな笑みが浮かんでいるように見えた。