人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
妻が座ると、店員が水とドリンクメニューを持ってきた。
それを開くと、コーヒー、紅茶、ジュースに加えて、シャンパンという記載が目に飛び込んできた。
「シャンパンにしない?」
それ以外の選択肢はないでしょ、というような目をしていた。
もちろん異論はなかった。
思わず口元が緩んでしまった。
しばらくしてグラスが二つ運ばれてきた。
淡いピンクの液体に繊細な泡が立ち込めていた。
「まあ~、素敵」
妻がウットリとした目で見つめた。
「お洒落だね」
わたしも見惚れてしまった。
「お誕生日おめでとう」
妻の発声でグラスを合わせた。
軽やかで心地よい音がした。
「ありがとう」
妻に頭を下げた。
今までの感謝を込めて少し深めに頭を下げた。
「おいしい」
顔を上げると、妻が至福の表情を浮かべていた。
わたしは妻にグラスを掲げてから口に運んだ。
爽やかな香りが鼻に抜けたと思ったら、ほど良い酸味のあとに微かな甘味が追いかけてきた。
絶妙なバランスだった。
わたしにも至福の時間が訪れた。
シャンパンを三分の二ほど飲んだ時、ケーキが運ばれてきた。
先ず、『七種のフルーツタルト』が妻の前に置かれた。
そして、わたしの前に『ベリー・ハッピー』が置かれたが、チョコレートで模ったようなカードが裏向きになっていた。
首を傾げるわたしをよそ目に店員が妻に合図のような視線を送った。
妻が頷きで返すと、店員がケーキの皿を180度回してカードの表面をこちらに向けた。
目に入った瞬間、思わず息を飲んだ。
『HAPPY BIRTHDAY』の下に、『66歳、ラン、ラン、ラン』と描かれていたのだ。
それは、年齢と小説名と店名をかけた言葉だった。
それだけでなく、妻の愛情を感じる言葉だった。
それを開くと、コーヒー、紅茶、ジュースに加えて、シャンパンという記載が目に飛び込んできた。
「シャンパンにしない?」
それ以外の選択肢はないでしょ、というような目をしていた。
もちろん異論はなかった。
思わず口元が緩んでしまった。
しばらくしてグラスが二つ運ばれてきた。
淡いピンクの液体に繊細な泡が立ち込めていた。
「まあ~、素敵」
妻がウットリとした目で見つめた。
「お洒落だね」
わたしも見惚れてしまった。
「お誕生日おめでとう」
妻の発声でグラスを合わせた。
軽やかで心地よい音がした。
「ありがとう」
妻に頭を下げた。
今までの感謝を込めて少し深めに頭を下げた。
「おいしい」
顔を上げると、妻が至福の表情を浮かべていた。
わたしは妻にグラスを掲げてから口に運んだ。
爽やかな香りが鼻に抜けたと思ったら、ほど良い酸味のあとに微かな甘味が追いかけてきた。
絶妙なバランスだった。
わたしにも至福の時間が訪れた。
シャンパンを三分の二ほど飲んだ時、ケーキが運ばれてきた。
先ず、『七種のフルーツタルト』が妻の前に置かれた。
そして、わたしの前に『ベリー・ハッピー』が置かれたが、チョコレートで模ったようなカードが裏向きになっていた。
首を傾げるわたしをよそ目に店員が妻に合図のような視線を送った。
妻が頷きで返すと、店員がケーキの皿を180度回してカードの表面をこちらに向けた。
目に入った瞬間、思わず息を飲んだ。
『HAPPY BIRTHDAY』の下に、『66歳、ラン、ラン、ラン』と描かれていたのだ。
それは、年齢と小説名と店名をかけた言葉だった。
それだけでなく、妻の愛情を感じる言葉だった。