人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
1975年になってもオイルショックの後遺症は色濃く残っていた。
そんな中での就職活動だった。
厳しいと覚悟はしていた。
しかし、厳しいどころではなかった。
東京に本社のあるすべてのレコード会社を受験するつもりだったが、門戸を開いている会社はほとんどなかった。
問い合わせても、「今年度の新卒採用予定はありません」という回答しか返ってこなかった。
そんな厳しい状況であったが、若干名募集しているレコード会社が1社だけ見つかった。
知名度の低い新興の会社だったが、藁にも縋る思いで応募した。
しかし、惨めな結果で終わった。
書類選考で撥ねられたのだ。
レコード会社志望の大学生が殺到する中で、音楽業界でのアルバイト経験もなく、コネもないわたしにチャンスが訪れるわけがなかった。
なんでバイトすることを思いつかなかったんだ……、
自分の甘さに気づいて愕然とすると共に、物事について深く考え行動してこなかった大学4年間を悔やんだ。
夢が断たれたショックは大きかった。
落ち込むだけでなく、絶望が襲ってきた。
目の前には暗闇しかなかった。
悪いことばかり考えるようになり、夜も眠れなくなった。
しかし、時間の余裕はなかった。
将来の進路を早急に決めなければならないのだ。
就職浪人をして来年もう一度挑戦するか、それとも、レコード会社を諦めて他の業種に就くか、どちらかを決めなければならなかった。
本音を言えば、就職浪人を選択したかった。
夢を諦めたくはなかった。
しかし、そんな甘いことを言える状況ではなかった。
「1年間就職浪人させて下さい」なんて親に言えるはずがなかった。
オイルショックの影響で父の給料が減っているようだし、来年は妹の大学受験が控えている。
経済的に厳しいことがわかっているのに、これ以上負担をかけるわけにはいかなかった。
なんとかしなくては……、
ふらふらしながら立ち上がり、バスと電車を乗り継いで大学へ向かった。
そんな中での就職活動だった。
厳しいと覚悟はしていた。
しかし、厳しいどころではなかった。
東京に本社のあるすべてのレコード会社を受験するつもりだったが、門戸を開いている会社はほとんどなかった。
問い合わせても、「今年度の新卒採用予定はありません」という回答しか返ってこなかった。
そんな厳しい状況であったが、若干名募集しているレコード会社が1社だけ見つかった。
知名度の低い新興の会社だったが、藁にも縋る思いで応募した。
しかし、惨めな結果で終わった。
書類選考で撥ねられたのだ。
レコード会社志望の大学生が殺到する中で、音楽業界でのアルバイト経験もなく、コネもないわたしにチャンスが訪れるわけがなかった。
なんでバイトすることを思いつかなかったんだ……、
自分の甘さに気づいて愕然とすると共に、物事について深く考え行動してこなかった大学4年間を悔やんだ。
夢が断たれたショックは大きかった。
落ち込むだけでなく、絶望が襲ってきた。
目の前には暗闇しかなかった。
悪いことばかり考えるようになり、夜も眠れなくなった。
しかし、時間の余裕はなかった。
将来の進路を早急に決めなければならないのだ。
就職浪人をして来年もう一度挑戦するか、それとも、レコード会社を諦めて他の業種に就くか、どちらかを決めなければならなかった。
本音を言えば、就職浪人を選択したかった。
夢を諦めたくはなかった。
しかし、そんな甘いことを言える状況ではなかった。
「1年間就職浪人させて下さい」なんて親に言えるはずがなかった。
オイルショックの影響で父の給料が減っているようだし、来年は妹の大学受験が控えている。
経済的に厳しいことがわかっているのに、これ以上負担をかけるわけにはいかなかった。
なんとかしなくては……、
ふらふらしながら立ち上がり、バスと電車を乗り継いで大学へ向かった。