人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
そんな中、乾が提案を持ってきた。
「『百貨店専売の歳暮用プレミアムおでんセット』はどうでしょうか? お歳暮の時期限定だったものを通年商品としてネットで販売するのです」
覗き込むようにして見つめられたが、首を捻るしかなかった。
歳暮用のおでんは冬だから売れるのだ。
通年にしたら、特に夏場についてはまったく売り上げが見込めないだろう。
しかし、懸念を示しても乾が怯むことはなく、意外なことを口にした。
「夏場は冷製おでんとして訴求したらどうでしょうか?」
食欲が減退する夏場はどうしてもソーメンやざるそばのようなもので済ますことが多くなるが、それだと栄養バランスが悪くなる。だからこそ、栄養バランスに優れた特製おでんにチャンスがあるというのだ。
「例えば、『がんもどき』は食物繊維やミネラル分が含まれていますし、『はんぺん』はタンパク質含有で低脂肪、かつ、柔らかくて食べやすいことを訴求できます。『さつま揚げ』はタンパク質含有で消化しやすい食材ですし、『つみれ』はイワシやアジなどの青魚が主な原料なのでEPAやDHAなどの海からの贈り物が含まれています。食物繊維やミネラル分含有の『昆布』や、お腹の中を掃除すると言われる水溶性の食物繊維含有の『こんにゃく』も夏場に食べていただきたい食材です。食品表示法上言えることと言えないことがありますが、ルールの範囲内でも十分に訴求できると思います。そして、」
おでんには緑黄色野菜を入れることが少ないので副菜として『青菜のおひたし』を、デザートにはビタミンCが豊富な『いちご』『キウイ』『みかん』など季節の果物を食べることを推奨したいという。
自社製品をいかに売るか、ではなく、消費者の健康を前面に打ち出したものにしたいというのだ。
それを聞いて感心した。
彼女の言うことはもっともなことだった。
さすが、栄養士だと思った。
しかし、価格というネックがクリアできない。
歳暮用のプレミアムセットは3,000円と高額だ。
これを日常の食材として買う人がいるのだろうか?
わたしはまたも首を捻ったが、これに対しても平然とした声が返ってきた。
「『百貨店専売の歳暮用プレミアムおでんセット』はどうでしょうか? お歳暮の時期限定だったものを通年商品としてネットで販売するのです」
覗き込むようにして見つめられたが、首を捻るしかなかった。
歳暮用のおでんは冬だから売れるのだ。
通年にしたら、特に夏場についてはまったく売り上げが見込めないだろう。
しかし、懸念を示しても乾が怯むことはなく、意外なことを口にした。
「夏場は冷製おでんとして訴求したらどうでしょうか?」
食欲が減退する夏場はどうしてもソーメンやざるそばのようなもので済ますことが多くなるが、それだと栄養バランスが悪くなる。だからこそ、栄養バランスに優れた特製おでんにチャンスがあるというのだ。
「例えば、『がんもどき』は食物繊維やミネラル分が含まれていますし、『はんぺん』はタンパク質含有で低脂肪、かつ、柔らかくて食べやすいことを訴求できます。『さつま揚げ』はタンパク質含有で消化しやすい食材ですし、『つみれ』はイワシやアジなどの青魚が主な原料なのでEPAやDHAなどの海からの贈り物が含まれています。食物繊維やミネラル分含有の『昆布』や、お腹の中を掃除すると言われる水溶性の食物繊維含有の『こんにゃく』も夏場に食べていただきたい食材です。食品表示法上言えることと言えないことがありますが、ルールの範囲内でも十分に訴求できると思います。そして、」
おでんには緑黄色野菜を入れることが少ないので副菜として『青菜のおひたし』を、デザートにはビタミンCが豊富な『いちご』『キウイ』『みかん』など季節の果物を食べることを推奨したいという。
自社製品をいかに売るか、ではなく、消費者の健康を前面に打ち出したものにしたいというのだ。
それを聞いて感心した。
彼女の言うことはもっともなことだった。
さすが、栄養士だと思った。
しかし、価格というネックがクリアできない。
歳暮用のプレミアムセットは3,000円と高額だ。
これを日常の食材として買う人がいるのだろうか?
わたしはまたも首を捻ったが、これに対しても平然とした声が返ってきた。