人生 ラン♪ラン♪ラン♪ ~妻と奏でるラヴソング~ 【新編集版】
沈み込んで支社に戻ったが、辛い仕事から逃れることはできなかった。
乾にプロジェクトの解散を伝えなければならないのだ。
あれほど頑張ってくれていた彼女になんと言えばいいのかわからなかったが、ありのままを伝えるしかなかった。
彼女は無言で聞いていたが、「わかりました」とだけ言って席に戻った。
その翌日、思い詰めたような表情でわたしの許にやってきて、封筒を差し出した。
すぐにピンときた。
退職願だった。
一瞬、息が詰まったようになり、言おうとした言葉が喉の奥で絡まった。
それが伝わったのか、彼女も口に手を当てて必死に我慢しているようだった。
しかし、こらえ切れなくなったのか、「組織って、組織って、非情ですね。こんなに会社のためを思っている支社長を」と言った途端、嗚咽が覆った。
目の前が白くなった。
何も見えなくなった。
当然だ。
苦労を共にしてきた乾が辞めるのだ。目の前が白くならないはずはなかった。
乾にプロジェクトの解散を伝えなければならないのだ。
あれほど頑張ってくれていた彼女になんと言えばいいのかわからなかったが、ありのままを伝えるしかなかった。
彼女は無言で聞いていたが、「わかりました」とだけ言って席に戻った。
その翌日、思い詰めたような表情でわたしの許にやってきて、封筒を差し出した。
すぐにピンときた。
退職願だった。
一瞬、息が詰まったようになり、言おうとした言葉が喉の奥で絡まった。
それが伝わったのか、彼女も口に手を当てて必死に我慢しているようだった。
しかし、こらえ切れなくなったのか、「組織って、組織って、非情ですね。こんなに会社のためを思っている支社長を」と言った途端、嗚咽が覆った。
目の前が白くなった。
何も見えなくなった。
当然だ。
苦労を共にしてきた乾が辞めるのだ。目の前が白くならないはずはなかった。