地味顔シンデレラは王子様を調教す!【マンガシナリオ】
第四話 眼鏡外すとカッコいいね!
○学校・保健室
千波と理一郎が手を繋いで保健室の扉を開けるが誰もいない。
理一郎「あれ、誰もいない。外傷だけでも手当するから、そこに座って」
千波は理一郎に促されるままにベッドに座る。
理一郎は引き出しを順に開けていき、救急セットを見つける。
理一郎はベッドに座る千波の隣に座ると、千波の左耳に手を伸ばす。
千波「ひゃっ」
理一郎「ご、ごめん。急に触って」
慌てて手を引っ込める理一郎。
千波「わ、私こそ、変な声を出してごめんね」
理一郎「耳のところ赤くなっているけれど、特に出血はないみたい」
千波は自分の左耳をさすってみる。
千波「確かに頭がぐわんぐわんするのも無くなったし、もう大丈夫かも」
理一郎「念の為、病院に行った方が良いんじゃない?」
理一郎が千波の顔を覗き込み、千波は「大袈裟だよ」と言いながら思わず彼の眼鏡に手を伸ばす。
千波「えっ? 本当に眼鏡外すとカッコいいね」
理一郎「な、何を急に」
理一郎があたふたし出すのが楽しくて、千波は彼の眼鏡をかけてみる。
千波の視界が歪む。
千波「ふわっ、何も見えない」
理一郎「僕も今ほとんど何も見えないよ。眼鏡返してもらって良い?」
理一郎が千波の顔に両手で触れてくる。
そのドキドキのシチュエーションに千波は驚きのあまりひっくり返ってしまう。
まるで理一郎が千波を押し倒しているような状態になったところで扉が勢いよく開く。
尚弥「お前ら学校で何してんの?」
千波は尚弥の冷ややかな声がしたので慌てて眼鏡を外して、理一郎に渡す。
理一郎「藤堂君はどうしたの? 怪我でもした?」
尚弥「俺が質問してるんだけど」
明らかに喧嘩腰の尚弥に千波は慌てふためく。
千波「私の怪我を根本君に見てもらってただけだよ。私たちはもう体育館に戻るけど、藤堂君は怪我でもしたの?」
千波が救急セットに手を伸ばそうとすると、その手を尚弥に取られた。
尚弥「俺のことはいいんだよ。頭打ってるんだから、丸川千波はMRIを念の為受けた方が良い」
千波「そんな大袈裟な⋯⋯」
尚弥「頭を甘くみるな」
○回想
昨晩、鏡に映った未来の千波「尚弥は医者にはなれなかったのよ。まあ、お医者様ごっこは得意だけどね。本人も別に家が病院ってだけで医者になりたかった訳じゃなかったみたい」
今朝、担任教師「凄いな! 流石未来のスーパードクターだ!」と声をかけられ苦い顔をする尚弥。
・
・
(回想終了)
千波「藤堂君ってお医者様になりたいの? 他になりたいものがあったりしたんじゃ⋯⋯」
千波の質問にニヤリと笑う尚弥。
その挑戦的な表情に心臓が跳ねる千波。
尚弥「何、お前、俺に興味がないフリして、実は興味があるんじゃない」
千波「いや、純粋な疑問だよ。背も高いし、アメリカに行ってバスケをしたかったとか医者になるとは別の夢があるのかと思っただけ」
尚弥「ぷっ!背が高いからバスケって何だよソレ! 人を勝手にアメリカに行かせないでくれる?」
尚弥が屈託なく笑っていて、千波が胸がキュンとするのを止められない。
千波は尚弥に落ちないように思いっきり左手で自分の頬を叩く。
そんな千波の予想外の行動に唖然とする尚弥と理一郎。
理一郎「丸川さん突然どうしたの? 大丈夫? まだ、頭がぐわんぐわんするんじゃ」
尚弥「本当に意味の分からない女だな。明らかに俺に気があるのに振ってくるし⋯⋯」
千波は尚弥に図星をつかれ動揺した。
確かに未来の千波に尚弥に恋に落ちないようにと、警告されるまでは彼に惹かれ毎日のように目で追っていた。
千波「な、何言ってるの? 私が気になってるのは根本君だよ。藤堂君には全く興味ないよ。とにかく、将来医者になっても、ならなくても、お医者様ごっこだけはできるから自由にして良いと思うよ」
千波と理一郎が手を繋いで保健室の扉を開けるが誰もいない。
理一郎「あれ、誰もいない。外傷だけでも手当するから、そこに座って」
千波は理一郎に促されるままにベッドに座る。
理一郎は引き出しを順に開けていき、救急セットを見つける。
理一郎はベッドに座る千波の隣に座ると、千波の左耳に手を伸ばす。
千波「ひゃっ」
理一郎「ご、ごめん。急に触って」
慌てて手を引っ込める理一郎。
千波「わ、私こそ、変な声を出してごめんね」
理一郎「耳のところ赤くなっているけれど、特に出血はないみたい」
千波は自分の左耳をさすってみる。
千波「確かに頭がぐわんぐわんするのも無くなったし、もう大丈夫かも」
理一郎「念の為、病院に行った方が良いんじゃない?」
理一郎が千波の顔を覗き込み、千波は「大袈裟だよ」と言いながら思わず彼の眼鏡に手を伸ばす。
千波「えっ? 本当に眼鏡外すとカッコいいね」
理一郎「な、何を急に」
理一郎があたふたし出すのが楽しくて、千波は彼の眼鏡をかけてみる。
千波の視界が歪む。
千波「ふわっ、何も見えない」
理一郎「僕も今ほとんど何も見えないよ。眼鏡返してもらって良い?」
理一郎が千波の顔に両手で触れてくる。
そのドキドキのシチュエーションに千波は驚きのあまりひっくり返ってしまう。
まるで理一郎が千波を押し倒しているような状態になったところで扉が勢いよく開く。
尚弥「お前ら学校で何してんの?」
千波は尚弥の冷ややかな声がしたので慌てて眼鏡を外して、理一郎に渡す。
理一郎「藤堂君はどうしたの? 怪我でもした?」
尚弥「俺が質問してるんだけど」
明らかに喧嘩腰の尚弥に千波は慌てふためく。
千波「私の怪我を根本君に見てもらってただけだよ。私たちはもう体育館に戻るけど、藤堂君は怪我でもしたの?」
千波が救急セットに手を伸ばそうとすると、その手を尚弥に取られた。
尚弥「俺のことはいいんだよ。頭打ってるんだから、丸川千波はMRIを念の為受けた方が良い」
千波「そんな大袈裟な⋯⋯」
尚弥「頭を甘くみるな」
○回想
昨晩、鏡に映った未来の千波「尚弥は医者にはなれなかったのよ。まあ、お医者様ごっこは得意だけどね。本人も別に家が病院ってだけで医者になりたかった訳じゃなかったみたい」
今朝、担任教師「凄いな! 流石未来のスーパードクターだ!」と声をかけられ苦い顔をする尚弥。
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(回想終了)
千波「藤堂君ってお医者様になりたいの? 他になりたいものがあったりしたんじゃ⋯⋯」
千波の質問にニヤリと笑う尚弥。
その挑戦的な表情に心臓が跳ねる千波。
尚弥「何、お前、俺に興味がないフリして、実は興味があるんじゃない」
千波「いや、純粋な疑問だよ。背も高いし、アメリカに行ってバスケをしたかったとか医者になるとは別の夢があるのかと思っただけ」
尚弥「ぷっ!背が高いからバスケって何だよソレ! 人を勝手にアメリカに行かせないでくれる?」
尚弥が屈託なく笑っていて、千波が胸がキュンとするのを止められない。
千波は尚弥に落ちないように思いっきり左手で自分の頬を叩く。
そんな千波の予想外の行動に唖然とする尚弥と理一郎。
理一郎「丸川さん突然どうしたの? 大丈夫? まだ、頭がぐわんぐわんするんじゃ」
尚弥「本当に意味の分からない女だな。明らかに俺に気があるのに振ってくるし⋯⋯」
千波は尚弥に図星をつかれ動揺した。
確かに未来の千波に尚弥に恋に落ちないようにと、警告されるまでは彼に惹かれ毎日のように目で追っていた。
千波「な、何言ってるの? 私が気になってるのは根本君だよ。藤堂君には全く興味ないよ。とにかく、将来医者になっても、ならなくても、お医者様ごっこだけはできるから自由にして良いと思うよ」