月 光
アリスさんとリュウサさんにも本部から連絡が入ったらしいが、あの巨大黒魔は、巡回よりも先に黒魔を吸収していた為、巡回時には既に黒魔がいない状態になっていたようだった。
"最近、平和だ"と感じていたのは、そのせいだったのだ。
巡回は町中だけなので、巨大化していった黒魔はもしかしたら森のどこかに身を潜めていたのかもしれないということだった。
でも、何でケイシさんが、、、
本部の人がどうにかすればいいのに!
そう思っていたときだった。
遠くから大きな爆発音と大きな炎が上がっているのが見えたのだ。
わたしはそれを見て、言葉を失っていた。
黒煙が上がり、わたしはそれを見つめていた。
ケイシさん、、、ケイシさん、、、
わたしの横では、アリスさんが泣いていて、そんなアリスさんの肩をリュウサさんが抱いていた。
二人のイヤホンには、本部から「任務完了」と連絡が入っていたのだった。