月 光
「今さっきまで公園に居たんですけど、、、急に真っ暗になって、気が付けばここに立ってました。」
わたしの言葉に「そっか、それは怖かったよね。」と言い、わたしの目線まで屈む男性。
「俺の名前は、ケイシ。君は?」
「宮下、、、灯です。」
「灯ちゃん!いい名前だね!あ、そうだ!うち来ない?もう夜だし、女の子が一人でいるのは危ないよ!」
そうは言ってくれるものの、初めて会う男性の家に行くのには抵抗があった。
そして、わたしは人間不信だからだ。
「あ、急にそんなこと言われても怖いよね?ごめん!うちには、俺だけじゃなくて、他にも住人がいるし、女の人もいるから大丈夫だよ!」
わたしを安心させてくれよと優しく話し掛けてくれるケイシと名乗る男性は、わたしに優しく微笑みかけてくれた。
ここに居ても、また怖い目に遭うかもしれない。
そう思ったわたしはその優しい口調と微笑みに、ケイシさんを信じてみることにしたのだった。