専属執事は愛するお嬢様を手に入れたい
3 迎えに来た
顔合わせの日がやってきた。婚約者になる相手と会うために美しく着飾ったエリスだが、その美しい装いに反して顔は浮かない顔をしている。
(結局、あの後ディルは戻ってこなかった……一体、どこで何をしているの)
もうこのまま、二度と戻ってこないのかもしれない。不安にさいなまれていると、ドアがノックされる。
「エリス様、お迎えにあがりました」
「ディル!?」
ドアの向こうから聞こえたのは、ディルの声だ。慌ててドアを開けると、そこには着飾った見知らぬ男性がいた。
「……ディル?ディルなの?」
よく見てみると、あのディルだ。だが、いつもの執事服ではなく、貴族の令息が着るような立派な服装をしている。髪型もいつものふわふわな黒髪ではなく、しっかりと整えられている。
「お待たせしました。ようやく迎えに来れましたよ。それにしても、ずいぶんと綺麗に着飾っていますね。お似合いですが、……俺のためじゃなく他の男のためだと思うと気に食わないな」
少し不服そうな顔でそう言うと、すぐにいつもの顔に戻ってエリスの前に片手を差し出した。
「さ、行きましょう。旦那様たちがお待ちです」
(結局、あの後ディルは戻ってこなかった……一体、どこで何をしているの)
もうこのまま、二度と戻ってこないのかもしれない。不安にさいなまれていると、ドアがノックされる。
「エリス様、お迎えにあがりました」
「ディル!?」
ドアの向こうから聞こえたのは、ディルの声だ。慌ててドアを開けると、そこには着飾った見知らぬ男性がいた。
「……ディル?ディルなの?」
よく見てみると、あのディルだ。だが、いつもの執事服ではなく、貴族の令息が着るような立派な服装をしている。髪型もいつものふわふわな黒髪ではなく、しっかりと整えられている。
「お待たせしました。ようやく迎えに来れましたよ。それにしても、ずいぶんと綺麗に着飾っていますね。お似合いですが、……俺のためじゃなく他の男のためだと思うと気に食わないな」
少し不服そうな顔でそう言うと、すぐにいつもの顔に戻ってエリスの前に片手を差し出した。
「さ、行きましょう。旦那様たちがお待ちです」