小さな恋のトライアングル
「ねえ、潤さん」
「ん?なに」

シャンパングラスを片手にソファに並んで座り、真美は潤に話しかける。

食事のあと、もったいないから本当に使ってと言い残し、樹は帰って行った。

ルームサービスで、美味しいシャンパンとフレッシュストロベリーを手配してから……

「私ね、たとえ三原さんが父親だと名乗らなくても、がっくんなら気づくと思うんです。この人は、ママに優しくしてくれるパパだって。言葉にしなくても、三原さんの想いはきっとがっくんに伝わる。なぜだかそう信じられるんです」
「そうだな、俺もそう思う。あの3人ならきっと幸せな家族になれる。離れていた時間なんて関係ない。いや、離れていたからこそ、絆は深い。何でもない日々に幸せを見い出せる。あの3人なら、きっと」
「ええ」

そして潤はふと真美を見つめた。

「俺達もいつか子どもが生まれたら、大切に育てていこう。一緒にいられることに感謝しながら、楽しくて明るい家族になろうな」

真美は涙で潤んだ瞳で、はい、と頷く。

「心から愛してる、真美」

潤は優しく真美に笑いかけ、そっと肩を抱き寄せてキスをする。

真美の頬に流れた涙を指ですくいながら、ふっと笑った。

「泣き虫だな、真美は」
「だって、これは幸せの涙だから」
「そうだな。真美と岳に教えてもらった。幸せ過ぎると涙が溢れるってことを」
「うん。だから泣いてもいいの」
「そっか、分かったよ。俺の可愛い泣き虫さん」

そう言うと、潤は真美の涙にチュッと幸せのキスをした。
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