小さな恋のトライアングル
潤の腕に抱かれたままベッドに並んで横になり、真美は幸せを噛みしめる。

「潤さん」
「ん?なに」
「見て、星が綺麗」

コテージの三角屋根の天窓から夜空が見え、キラキラと無数の星が瞬いていた。

「ほんとだ。都会で見るよりも、たくさん見えるな」
「うん。本当は同じ数なのに、都会にいると見えない星もあるのね」
「そうだな。こんなに綺麗なのに、気づけないなんてもったいない」

すると真美が潤の顔を見上げてきた。

「どうかした?」
「うん、あのね。私の毎日ってありふれた日常だけど、潤さんと一緒にいるとキラキラ輝くの」
「え?」
「今までだって、同じ会社にいて同じ仕事をしてたし、毎日のご飯だっていつもと大して変わらない。だけど潤さんと一緒になってからは、何でもないことがすごく幸せに感じるの。幸せって、きっと私の周りに溢れてる。それに気づくか気づけないかの違いなんだね」

真美……と、潤は優しく微笑む。

「俺にとっては真美こそが幸せだよ。真美が俺の全てだ。純粋な目で真っ直ぐ俺を見つめてくれる。笑顔で俺の心を温めてくれる。優しい言葉で俺を救ってくれて、たくさんの愛情で俺を満たしてくれる。真美、ずっと一緒にいてくれる?これから先も、俺のそばにいて欲しい」

真美はにっこり笑って頷いた。

「はい。私の幸せもあなたです、潤さん。ずっとずっと、そばにいさせてください」
「ありがとう、真美」

潤は真美の髪をそっとなでてキスをする。

降り注ぐ月明かりとたくさんの星の輝きの中、二人はいつまでも互いの愛を注ぎ合っていた。
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