小さな恋のトライアングル
その後、真美に合わせて皆でソファに移動してお茶を飲む。

岳は画用紙とクレヨンを持って来て、真美と一緒に動物園のしおりを作り始めた。

「がっくん、どんな動物見ようか」
「うんとね、ライオンとキリンとゾウ。まみは?」
「私はね、レッサーパンダが一番楽しみかな」
「え、パンダがいるの?」
「白黒の大きなパンダじゃないんだ。レッサーパンダはね、赤茶色でちょっとアライグマに似てるの。こんな感じ」

真美がクレヨンで描いたレッサーパンダを見せると、岳は無表情で固まる。

「おれは……、えんりょしとく」
「えー、どうして?一緒に見ようよ、レッサーパンダ」
「きょうふで、よるねられなくなったらこまるから」
「何言ってんの?可愛いんだよー、レッサーパンダ」
「どこが?」

目と口が吊り上がった不気味な物体を見せられ、視線を逸らしながら岳は怯えていた。
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