小さな恋のトライアングル
「すごい。なんだか1つの街みたいですね」
高速道路を使って都内を出ると、インターチェンジを下りたところにあるショッピングモールに到着した。
「なんだか外国の街に迷い込んだみたい」
「確かに。南仏のプロヴァンスっぽいな」
広大な敷地にずらりとお店が並び、青空の下をのんびり歩きながら気になるお店を覗く。
「寒くない?」
「はい、大丈夫です。素敵なお店に興奮しちゃって暑いくらい」
「あはは!コート脱いだら?」
「そうですね。お店の中は暖かいし」
真美がコートを脱いで腕に掛けると、潤はその姿にドキッとした。
綺麗なラインのワンピースは清楚で品が良く、思わず真美の腕を取ってエスコートしたくなる。
足元も少しヒールの高いショートブーツで、じっと小物を選んでいる姿は美しい。
心ここにあらずで隣に立っていると、真美が顔を上げた。
「課長、このマグカップってどうでしょう?大きいのと少し小さめのと、サイズが2種類あるんです。お姉さんとがっくんにちょうどいいかなって」
「ん?ああ、いいね。夫婦茶碗みたいなイメージなんだろうな」
「あ、なるほど!夫婦とかカップルがお揃いで使うマグカップなんですね、きっと」
「多分ね。ほら、こっちのデザインは大きい方が青で小さい方がピンクだし。他にもいくつかペアで置いてある」
うんうんと真美は頷く。
「このマグカップは?大きい方が夜空にキラキラ星が輝いてて、小さい方は青空と太陽のデザインです。親子にちょうどいいかも」
「確かに、いいね」
「じゃあ、これにします!」
真美は笑顔でマグカップを手に取る。
潤はその横の違うデザインのマグカップに目をやった。
「望月、このデザインはどう?望月に似合いそう」
「私にですか?」
見ると丸みを帯びた小ぶりのマグカップは、下の方が薄いピンク色で、上はグラデーションでクリーム色に変わっている。
「可愛いですね、コロンとしてて持ちやすそう」
「じゃあ、俺からプレゼントさせて」
「いいんですか?」
「もちろん。ささやかだけどね」
「いえ、嬉しいです。あ、これもよく見たらペアになってる!課長もどうですか?」
隣に並ぶ少し大きめのマグカップは、丸みはないものの色の使い方が同じだった。
下の方が藍色で、上にいくにつれてグラデーションで薄い水色に変わっていく。
「うん、いいね」
「これ、私の方はゴールドのラメで小さくハートが散らしてあって、課長の方は小さな星ですね。お揃いってばれるかな?若菜ちゃんなら気づきそう。ふふっ」
真美の言葉に、潤は、えっ?と驚く。
「望月、会社に持って行くつもりなのか?」
「そしたらスリリングで面白いなって。これって課長とお揃い?いやでも、あの二人に限ってそんなことあるはずないし……って。みんなの反応が楽しみです」
「そんなこと、あるはず、ない……」
ショックの余り、潤は棒読みで繰り返した。
「じゃあお会計してきますね。えっと、お姉さんとがっくんのカップに、課長のは、これ」
真美は、サンプルの後ろにあった箱を3つ持ち、そっと慎重にレジまで運ぶ。
「プレゼント用にラッピングをお願いします」
ご機嫌で支払いを済ませる真美に続き、潤もピンクのマグカップを手にしてラッピングを頼んだ。
高速道路を使って都内を出ると、インターチェンジを下りたところにあるショッピングモールに到着した。
「なんだか外国の街に迷い込んだみたい」
「確かに。南仏のプロヴァンスっぽいな」
広大な敷地にずらりとお店が並び、青空の下をのんびり歩きながら気になるお店を覗く。
「寒くない?」
「はい、大丈夫です。素敵なお店に興奮しちゃって暑いくらい」
「あはは!コート脱いだら?」
「そうですね。お店の中は暖かいし」
真美がコートを脱いで腕に掛けると、潤はその姿にドキッとした。
綺麗なラインのワンピースは清楚で品が良く、思わず真美の腕を取ってエスコートしたくなる。
足元も少しヒールの高いショートブーツで、じっと小物を選んでいる姿は美しい。
心ここにあらずで隣に立っていると、真美が顔を上げた。
「課長、このマグカップってどうでしょう?大きいのと少し小さめのと、サイズが2種類あるんです。お姉さんとがっくんにちょうどいいかなって」
「ん?ああ、いいね。夫婦茶碗みたいなイメージなんだろうな」
「あ、なるほど!夫婦とかカップルがお揃いで使うマグカップなんですね、きっと」
「多分ね。ほら、こっちのデザインは大きい方が青で小さい方がピンクだし。他にもいくつかペアで置いてある」
うんうんと真美は頷く。
「このマグカップは?大きい方が夜空にキラキラ星が輝いてて、小さい方は青空と太陽のデザインです。親子にちょうどいいかも」
「確かに、いいね」
「じゃあ、これにします!」
真美は笑顔でマグカップを手に取る。
潤はその横の違うデザインのマグカップに目をやった。
「望月、このデザインはどう?望月に似合いそう」
「私にですか?」
見ると丸みを帯びた小ぶりのマグカップは、下の方が薄いピンク色で、上はグラデーションでクリーム色に変わっている。
「可愛いですね、コロンとしてて持ちやすそう」
「じゃあ、俺からプレゼントさせて」
「いいんですか?」
「もちろん。ささやかだけどね」
「いえ、嬉しいです。あ、これもよく見たらペアになってる!課長もどうですか?」
隣に並ぶ少し大きめのマグカップは、丸みはないものの色の使い方が同じだった。
下の方が藍色で、上にいくにつれてグラデーションで薄い水色に変わっていく。
「うん、いいね」
「これ、私の方はゴールドのラメで小さくハートが散らしてあって、課長の方は小さな星ですね。お揃いってばれるかな?若菜ちゃんなら気づきそう。ふふっ」
真美の言葉に、潤は、えっ?と驚く。
「望月、会社に持って行くつもりなのか?」
「そしたらスリリングで面白いなって。これって課長とお揃い?いやでも、あの二人に限ってそんなことあるはずないし……って。みんなの反応が楽しみです」
「そんなこと、あるはず、ない……」
ショックの余り、潤は棒読みで繰り返した。
「じゃあお会計してきますね。えっと、お姉さんとがっくんのカップに、課長のは、これ」
真美は、サンプルの後ろにあった箱を3つ持ち、そっと慎重にレジまで運ぶ。
「プレゼント用にラッピングをお願いします」
ご機嫌で支払いを済ませる真美に続き、潤もピンクのマグカップを手にしてラッピングを頼んだ。