90'sシリーズ/外伝
映画を見終え、再び先ほどの所へ戻り、ケイティにお釣りと無理やり買わされたハンバーガーの土産を手渡すが、ケイティはお釣りは受け取らず、ハンバーガーだけを受け取った。
『お客、捕まらなかったの?』
「月曜だからねえ~。憂うつなんだよ、みんな」
『月曜は憂うつなの?』
「そういう意味でしょ、ブルーマンデー」
振り返って歩き出したケイティは、ハンバーガーを口にしながらベンチに腰を降ろした。
『ねえ、教えてよ、娼婦のやり方』
「ん~…どうしよっかなあ」
ケイティの隣に、私も腰を降ろした。
『イジワルしないで教えてよ』
「もう少しだけ、足掻いてみれば?」
『…どういう意味?』
「私が初めて客を取ったのは、14の冬。
あんたは私より、一年も余裕ある訳だし」
『なにそれ、どんな理屈?
余裕なんて無いよ、今の私にはこのお釣りしか』
「アハハ、映画おもしろかった?」
『面白かった。やる気も出た』
「そっか。
でもダーメ、あんたには何も教えない」
『……』