90'sシリーズ/外伝





家を飛び出したのは2日前。

鼻にストローを挿してハイになった父親が、陽気にお小遣いをくれ、その10時間後に顔をボコボコに殴られてお金を取り上げられた。






『ねえ、お姉さん』


「なあに、お嬢ちゃん」






殴られてる最中、偽の母親は、床にベターっと寝そべりながら、ニヤニヤと私を見て笑っていた。






『お姉さんは、いくら?』






その姿が無性にムカつき、鼻血を垂れ流しながら中指を立ててやったら、母親は面白かったらしく、声を出して笑っていた。






「ん~…その時によるねえ。

60ドルの夜もあれば、100ドルの夜もあるよ」


『!?』






自慢じゃないが、この位の計算なら紙とペンを使わずとも出来る。






(20ドルの、3倍から5倍…

どこに私との違いが……あ、胸か)


「どうしたの?お嬢ちゃん」



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