北帝連―Taiju×shinobu編
最上級生から最下級生になり、1年間という日々がとても長く、ムダな時間に思えた。
「集合。今日の練習はここまで」
「ありがとうございました!」
「1年は後片付け」
「はいっ!」
未経験だって居るし、俺達が練習に混ざればレギュラーである2.3年生の邪魔になるし、球拾いが居なければ練習時間の効率だって悪くなるのは理解している。
けど、それならせめて、経験者の中から邪魔にならない程度に上手い奴を練習に参加させてくれてもいいだろと、心の中に不満を抱いた。
「西岡、お前は後片付けに参加しなくていい」
「え、でも」
「必要ない、上がれ」
「‥‥はい」
不満と同時に、忍への嫉妬。
ポジションは違えど、俺だってそこそこに有能な選手だというチンケなプライド。
「‥ゴメンな、お前ら」
「なに謝ってんだよ。
先に着替えて校門で待ってろよ」
「ああ、わかった」
ばつが悪い表情は作り物なんかじゃなく、おそらく自然に出た物なんだろう。
俺だったらきっと、気まずそうな顔を作って心の中では優越感に浸っていたはず。
忍は俺と違い、良い奴だった。
「‥‥‥」