『准教授・駿河台ひばり』 ~変人・奇人の時代~ 【新編集版】
手洗いとうがいを済ませてリビングに行くと父が新聞を読んでいた。
マスクはしていなかった。
わたしをチラッと見て「おかえり」とだけ言ってすぐに新聞に目を戻したが、相変わらず不愛想を維持しているようだ。
朗らかな母がなんでこんな男と結婚したのか不思議でならないが、わたしの知らない魅力が父にあるのだろうと勝手に結論付けている。
「これ、おみやげ」
父に紙袋を差し出すと、ん? というような顔をして新聞から目を離して受け取ったが、紙袋から品物を出すとすぐに母に渡した。
包装紙を剥がしてくれという意味なのだろう。
昔から父はなんでも母任せで自分では何もやらない。
マスクはしていなかった。
わたしをチラッと見て「おかえり」とだけ言ってすぐに新聞に目を戻したが、相変わらず不愛想を維持しているようだ。
朗らかな母がなんでこんな男と結婚したのか不思議でならないが、わたしの知らない魅力が父にあるのだろうと勝手に結論付けている。
「これ、おみやげ」
父に紙袋を差し出すと、ん? というような顔をして新聞から目を離して受け取ったが、紙袋から品物を出すとすぐに母に渡した。
包装紙を剥がしてくれという意味なのだろう。
昔から父はなんでも母任せで自分では何もやらない。