『准教授・駿河台ひばり』 ~変人・奇人の時代~ 【新編集版】
「夢が叶ったんだから感慨深いよ」
本田さんが10歳だった頃、浜松の練兵場でアメリカ人飛行家がアクロバット飛行を披露したのだという。
それを見た本田さんは、いつか自分も飛行機を作りたいと思ったそうだ。
それは生涯を貫くような熱心な願いであり、熱烈な望みであったという。
そのこともあって自動車の製造に乗り出して間もない昭和39年には『ホンダエアポート』という会社を設立して小さな飛行場を造ったという。
ふ~ん、と相槌を打つと、父がいきなり立ち上がって部屋を出て行った。
すぐに戻ってきたが、右手にはパンフレットのようなものが持たれており、それをテーブルに置いてわたしの方に動かすと、鮮やかな機体が目に飛び込んできた。
ホンダジェットだった。
「カッコいいだろ」
自慢げな声が耳に届いた。
確かにカッコ良かった。
流線形に赤と白のツートンカラー。
主翼の先端がほぼ直角に上を向いてキリッとしている。
それに何より翼の上にエンジンが乗っている独特のフォルムに目を奪われた。
「誰の真似でもない唯一無二の飛行機、それがホンダジェットだ。『どうだ!』っていう感じだろ」
その通りだと思って頷くと、牟礼内教授から聞いた盛田昭夫さんの言葉が甦ってきた。
本田さんが10歳だった頃、浜松の練兵場でアメリカ人飛行家がアクロバット飛行を披露したのだという。
それを見た本田さんは、いつか自分も飛行機を作りたいと思ったそうだ。
それは生涯を貫くような熱心な願いであり、熱烈な望みであったという。
そのこともあって自動車の製造に乗り出して間もない昭和39年には『ホンダエアポート』という会社を設立して小さな飛行場を造ったという。
ふ~ん、と相槌を打つと、父がいきなり立ち上がって部屋を出て行った。
すぐに戻ってきたが、右手にはパンフレットのようなものが持たれており、それをテーブルに置いてわたしの方に動かすと、鮮やかな機体が目に飛び込んできた。
ホンダジェットだった。
「カッコいいだろ」
自慢げな声が耳に届いた。
確かにカッコ良かった。
流線形に赤と白のツートンカラー。
主翼の先端がほぼ直角に上を向いてキリッとしている。
それに何より翼の上にエンジンが乗っている独特のフォルムに目を奪われた。
「誰の真似でもない唯一無二の飛行機、それがホンダジェットだ。『どうだ!』っていう感じだろ」
その通りだと思って頷くと、牟礼内教授から聞いた盛田昭夫さんの言葉が甦ってきた。