御曹司たちの溺愛レベル上昇中
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子供たちとのドッジボールは夕方まで続き、暗くなってきたから、とおひらきに。
汗だくになった子供たちと別れて、消耗した颯くんから強引に脚立係をもらってわたしたちは帰路についていた。
朝に家を出たはずが、すっかり暗くなって、予定外のことだったけど、楽しかったな。
「俺、明日筋肉痛確定だろ」
「木登りに加え、すごい動いたもんね」
「なんだかんだ普通に当てられたけどな。ってかお前は暇じゃなかったのかよ。まざればよかったのに」
「いやいや、わたしは平気。見てて面白かったし」
それに颯くんを待つ間、一刻も早く連絡を入れておこうと村田さんにメッセージを送っておいた。
アパートの掃除が終わったこと、
この後、家具や諸々のことをしてもらうにあたって改めてお礼を。
何度も思うけど村田さんに会わなかったら、今わたしは何してるんだろうって……
途方にくれる図しか浮かばないけど。
「つかこんな遅くなると思わなかったわ。しかもこれから晩飯の準備……小柳はあるけど今日俺、助手じゃないよな?」
「ないない、今日は確か──」
と、言いかけたところで家に到着……勝手口の方へ向かい、倉庫に脚立をしまう。
雪さんではないから、勝手口からは中には入らない。
だけど颯くんが訝しげな顔をして、わたしに振り向いた。
「……なんか部屋暗くね?」
「え?あれじゃない?二人とも部屋にいるとか」
ああ……と、あまりピンときていないみたいだけど、外からじゃ二階の部屋の明かりが余りもれないし……
共有ルームで寝てたりしたら暗いままかも。
「ま、いっか。入ろうぜ」
「うん」
ただいまーと言いながら二人で中へ──