御曹司たちの溺愛レベル上昇中







わたしたちは、雪さんが運んできた料理に青ざめた──








「……雪兄、これは」


「っ……」






ゲテモノを見るような目で体を引く颯くんに、


口を押さえて顔を背ける響くん、




そして笑顔の雪さん。











「焼き魚……頭を添えて──ですっ」




「こわっ」

「ちょっ!何で僕の皿に乗せるんです!」

「焼き魚で十分だろ!?頭の意味!しかも生!」

「だからってやめてよ!」






魚の頭が二人の皿を行き交う。





……結果的にとりあえず皿ギリギリに頭をよけて、魚を頂いた。





その後雪さんは颯くんと響くんから




──今後一人の料理と包丁を持つことを禁じられたのだった。


一度綺麗にしたキッチンは、食器を片付けた時にもっとひどい状態になっていたのもあいまって。





本人は楽しかったみたいで、悲しそうにしていたけど。









──焼き魚の味は丁度良かったんだけどね。








「……どうしてもダメ?」






「駄目です」

「だめだな」






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