御曹司たちの溺愛レベル上昇中
わたしたちのクラスは女子Aチームが一試合目で、男子のAチームは二試合目。
男女ともにAとBチームがクラス内で作られ、チームごとに行動している。
わたしはAだから今コート内。
そのため、コートの周りはクラスの女子半分と男子だらけ……
頑張れや勝てー!と応援が飛び交う。
──そんな得意じゃないけど……触ればなんとかなる精神で頑張ろ。
笛がなるまでわたしたちのチームはポジションにつき、各々指の体操をしている。
わたしは左後ろのスタート。
──前やだなぁ……
ブロックとか出来ないし、トスとか明らかに無理。
「負けんなよ、小柳」
「え、ああ……がんばります」
線審係の颯くんが横に居たの気付かなかった。
上げたり下げたりして旗で遊んでる颯くんは、一人楽しそうだ。
「主審の次に線審ベスポジじゃね?」
「それで線審引き受けたの?」
「お前出てるからな」
「え?」
「お……お前のどんくさいとこ間近で見てやろっかなぁ……って!思っただけだし!」
旗で顔を隠す颯くん。
照れたのね。分かった分かった。
「それでは試合をはじめまーす」
笛が吹かれ、
バレー部の生徒の合図で試合が始まった。