御曹司たちの溺愛レベル上昇中





「──ゲームセット!」






ギリギリだったけど、最後はわたしのサーブだけで終わった。





チームでハイタッチしてる最中、線審を終えた颯くんが……









「あはははっ……!」








ステージに寄りかかって笑っているのが見えて、わたしは颯くんのもとへ向かう。







「ちょっとーそんなに笑うこと?」



「だって、サーブ打つ前嫌そうにしてたから声かけただけなのに、メロンパンで釣られるしっ。しかもサーブだけでしめるって面白すぎっ」





あはははっ、と笑いがおさまらない模様。



確かに自覚はありまくりですが。

にしたって……






「……っ脇腹いてぇ」







そこまで笑う?


……いいもん。先にステージの上にいこ。







「あっ!小柳っ」



「颯くん試合始まるよ。女子と違って男子はテンポ速いんだから。もう集まってる」



「え……まじだ」




ダッシュで男子側のコートへ向かった颯くんを見送りつつ、観覧場となってるステージの階段を上のぼる寸前──










お"……





階段下の横にちょこんと、雪さんが座っていて……


目が合ってしまうも、話しかけられないから、会釈したかしないかくらいですれ違っといた。






「びっくりした……」






< 119 / 126 >

この作品をシェア

pagetop