御曹司たちの溺愛レベル上昇中





ステージ上に座って、緩くなったポニーテールを直す。





「男子勝てるかな?」





同じチームの子がわたしの周りに座り、うちわやメガホンを持ってきていた。




──わたし、忘れたんだよね。部屋に。





無いと困るわけではないからいいけど、あった方が応援してます感が出るよね。



まだ熱が冷めないわたしをうちわであおいでくれる風を受けながら、わたしは試合が始まった男子チームに目を向けた。





「うちのクラス運動部多いし、勝てなくないんじゃないかな?」





「だといいよね!」


「先生が、三位以内に入ればお菓子パーティーしてくれるって今聞いちゃったよ!」


「え、本当!?」







お菓子パーティーか。……でも三位以内って、狙えるようで狙えないような、そんなラインだ。





一年生から三年生まで五クラスずつ……



男子はともかく、女子にかかってるよね。



< 120 / 128 >

この作品をシェア

pagetop