御曹司たちの溺愛レベル上昇中


今週末に入居が決まったわたしは荷造りを始めた。


主にシェアハウスに身を置きながらも、

アパートの片付けもあるから、しばらくはアパートとシェアハウスを行き来することになる。


幸いにも部屋が狭いから、片付けるといってもそこまで大変なことはないが――


「……ちょっと、寂しいな」


貧乏でボロボロアパート住まい。

三人で仲良く暮らしていた部屋。

身長を測った跡、コーヒーを溢したシミ。
年季のはいった家具たち。

子供の頃から住んでいたから、それなりの愛着と思い出がつまっている。

貧乏でも、幸せというのは人並みに感じられいたと思うから。


「少しでも綺麗にしてから行くからね」


ボロボロの畳を撫でながら、わたしは荷物を纏めた。


< 13 / 16 >

この作品をシェア

pagetop