御曹司たちの溺愛レベル上昇中
『ふ、二人とも本当に一緒に入るつもりだったの?』
『俺は別に……小柳が不自由なら助けてやりたいなって……思っただけだ。こいつと違って』
『でも多少は何かしら期待したでしょ?颯くんも』
『ち・が・う!俺のはやましさゼロ、純度百パーだっつの』
『純度って……どうだか』
──うん。
これ以上会話を聞くのはよそう。
わたしは本来の目的のシャワーを浴びに浴室へ入り、蛇口をひねった。
顔から浴びたぬるめのお湯が心地いい。
そのまま石鹸を手探りで探していると、
「あっ」
ツルッと掴みそこねた石鹸が、床に落ちていった。