御曹司たちの溺愛レベル上昇中
小鳥遊くんからチョコをもらい口に運ぶ。
「んー!」
チョコレートをじっくりわたしは味わった。
すぐ蕩けたぁ。なんだったんだろ。高いものはやっぱり違うのね。
冷蔵庫の前でチョコレートの余韻に浸るわたし。
「お前……チョコ一つで、んな幸せになれんのかよ」
「あのようなチョコは食べたことない……凄い美味しかった。もう夜ご飯いらないかもしれない」
「……はぁ?それはダメだろ。村田にも怒られる」
正論だ。
「どうするか……コンビニ?スーパー……つか全然響のやつおりてこねぇじゃん。手伝う気ないのかよ薄情者めっ」
「誰が薄情者ですって?」
うわっ!?と、わたしと小鳥遊くんがシンクロした。
タイミング良くも悪くも、響くんがおりてきていたらしい。
とりあえずキッチンに三人並んだわけだが──
「見ての通り、具材がない。買いに行くしかないぞ。響、お前も来い」
キッチンを出ようとする小鳥遊くんのあとをわたしは追いかけようと一歩踏み出した。
だけど……
「村田さんが、玄関に届くように手配したって言ってたでしょう」
「え?村田さんが?」
そうなの?と、わたしは小鳥遊くんをみれば、全然わかってなかったようで。
響くんはため息をついた。
「もう届いてるはずですから、僕取ってきますので」
「お、おぉ」
小鳥遊くんって、あんま話聞いてないのか忘れっぽいのか──