御曹司たちの溺愛レベル上昇中
前進



意外にも、初日の夜はぐっすりだった。


それに、ちゃんとベッドから落ちずに一晩過ごせたわたし。




ベッドの寝心地がよくて、何度も起きようと思ったけど、昼前までぐだぐたとしてしまった。


だから朝も昼も抜いて、着替えてすぐ、

わたしはアパートへ向かった。






***





「──よし、こっちのタンスは空になった。後は押し入れと……」



パンパンなゴミ袋に囲まれながら、わたしは順調に片付けを進めている。

色々な物が地べたに置かれてるから、すごく汚いけど……



「布団……どうしよ。といってもわたしのしかないんだけど。村田さんが用意してくれてたし……使うことないよね」



空になったタンスの近くに、敷きっぱなしだった布団一式を順に運ぶ。



「っしょ、っと」



あー疲れた。猫の手でもいいから借りたい……。



「少しだけ休憩──」



アパートに来る途中にスーパーで買ったお茶に伸ばしかけた時、玄関のチャイムが鳴った。




「……誰だろ」


< 46 / 154 >

この作品をシェア

pagetop