御曹司たちの溺愛レベル上昇中





昼休み、購買部にパンを買いに行った途中、廊下に人だかりが出来ていた。



「……なんだろ」


財布を片手に人だかりに近付けば、女子生徒たちが話しているのが聞こえる。



「なんかの大会で入賞したらしいよ」

「また?凄いよねー新聞部」




新聞部――うちの学校の新聞部は大きな大会でも大賞を取るようなすごい部活だって、部活紹介とかで聞かされたことがあった。


具体的に何をしているのかは知らないけど。

毎月と、行事ごとの、校内新聞みたいなのは見たことあるけど……大会って何するんだろ。


でも入賞ってことはやっぱり見やすさとか文章力とか?を見られるのかな。



なんて、つい考え込んでしまった。




「メロンパン!売り切れちゃう!」




購買部へ踵を返して、小走りで向かう。



わたしが学校の購買で一番好きなパン。

小ぶりだけどすごくしっとりしていて、何個でも食べたくなるくらい。




残ってるといいな――





少しダッシュ気味に走ったおかげで、

購買部にはギリギリ間に合って、ラスト一つのメロンパンをわたしはゲットできたのだった。


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