御曹司たちの溺愛レベル上昇中
雪さんの少し濡れたままの髪から見える、瞳は柔らかな笑みを浮かべていた。
優しそうな人──
「自己紹介できたみたいなので寝ますよ。あと、雪兄さん、神出鬼没みたいなのはやめて、普通の生活サイクルで過ごして下さいよ?……じゃないとまた起こり得るので」
「え、でも……」
「小柳の料理美味いから、もったいねーよ」
「……そうなの?」
三兄弟、御曹司が揃った光景をわたしは見つめていた。
身長は皆余り変わらないのかな……雪さんが一番なんだろうけど。
兄弟だけど、皆性格バラバラな気がする……
ツンデレさんな小鳥遊……颯くん。
ちょっと小悪魔っけのある……響くん。
優しい&おとなしめの……雪さん。
雪さんとも知り合えた今、わたしの生活は少しずつまた変わるんだろうな──
「いいから早く寝ようぜ」
「寝坊しても知りませんので宜しく」
「お、起こしてあげてっ……」
「行くぞ小柳」
「琉衣さんは起こしてあげる」
「は!?なな名前呼びしてんじゃねぇよ!」
「別にいいじゃないですか。ねぇ、琉衣さん?琉衣さんも僕のこと名前呼びですし」
「はぁ!?」
「……ね、寝よう。部屋まで行ける?」
「大丈夫です、ありがとうございます」
小鳥遊くんと響くんが恒例のもめタイムに入ったため、雪さんと階段をあがる。
「大体お前は小柳に……あ、ちょっ!待て小柳!」
「ちょっと颯くん!あぁもう!」
先に戻るわたしたちを小鳥遊くんは追いかけてくる。響くんは電気を消して、走って追いついてきた。
──賑やかでいいなっ