御曹司たちの溺愛レベル上昇中


「いやいや、だったら俺だろ!小柳と付き合い長いの俺なんだから!」


「安心の度合いが違いません?僕なら落とさないけど」


「さすがに俺でも……女の子なら持てるよっ」





俺だ俺だ、と言ってくれるのはありがたいのだけど、無理に今やらずとも問題はないわけで……



「あの、大丈夫ですっ。今度やるので。それに、わたし重いから……」


静かに三人の視線がわたしに集まるのを感じながらも、そう控えめに伝えると、小鳥遊くんが頷いてくれた。




「そうだな……」


「ありが──」









「ジャンケンで決めようぜ!」






拳を響くんと雪さんに向ける小鳥遊くん。






──え?







「公平でいいですね。賛成」

「わかった」






わたしの話聞いてた……よね?



ジャンケンをしだす三人にわたしは焦った。






貧乏なのはもう分かられてるけど、




それに加え、わたしが重いということまでバレてしまうのは、プライド云々じゃなくて、


女子としてイヤだ……





「あのーお三方……」




あいこで──あいこで──と、全然わたしの声聞いてない……






< 89 / 154 >

この作品をシェア

pagetop