御曹司たちの溺愛レベル上昇中
『今のおうち以上には致しませんよ』
『……シェアハウスってことは、誰かは居るんですよね?』
わたしの質問に、ご老人は手を合わせた。
『あ、そうそう!ぼっちゃ……っお三方ともお嬢さんの通われている学校の子達でございます』
ぼっちゃ――?
気になったけど、それよりも安心材料が増えたことが嬉しい。
『三人とも、同じかぁ……』
だったら仲良くなれる可能性も、うまくやっていける可能性も大じゃない?
『お嬢さんと誰がお住まいでしょう?』
『あ、わたしだけです。父の単身赴任に母がついていってるので』
『なるほど……そのご年齢で一人暮らしをされていたのですね。素晴らしい』
小さく拍手してくれるご老人だけど、一人暮らし歴は一ヶ月なわたし。
『えっと……』
『ご両親への相談もありますでしょう。ご返事が決まり次第、名刺裏面の番号にお電話くだされば対応致しますね』
裏面?ポケットから名刺を出して確認すれば、携帯が書かれていた。