背中
ぶわっ。


「わっ。」

サトミは前から突然吹いた激しい風に、思わずよろけた。


下を向いていた顔は、強制的に上に向けられ、燦々と輝く太陽を、目の前に見ることとなった。


それは、サトミが見たこともない光景だった。


「空って・・・。」

どこまでも広がる青空は、写真でしか見たこともないものであった。
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