背中
「いいか。仲間は、お前のことを嫌いじゃないんだぞ。」

サトミは笑えるようになった。

人と話せるようになった。



「打撃で助けてくれ、そう言ってもいいんだぞ。」

大学に行きたい、言えるようになった。

東京に行ってみたい、て胸を張って言えるようになった。



「打撃が応えてくれたら、感謝しないといけないぞ。」

友達の肩を、笑って叩けるようになった。

友達の言っていることに、なんで?って尋ねられることが出来るようになった。




サトミの周りには、けして咲くことのなかった笑顔の輪。




夏は、満開だった。
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