背中
式は終わった。


整然と並んでいた列は乱れ、後輩たちの作った花道を先輩たちは歩いていく。

その手には卒業証書の筒を持ち、顔は笑顔でいっぱいであった。


「じゃあ、行くよ。」

「うん。」


サトミはキリコの言葉に頷いた。


そして二人は向かい合ってもう一度頷くと、一斉に駆け出した。


後では、卒業生を見送る拍手が鳴り響いている。
< 36 / 98 >

この作品をシェア

pagetop