背中
第十一章 聞いた
病院にて
サトミはうつろな目で、右手にはめられた時計の針を見る。
もう、午前一時。
小さく息を吐いたそのとき、廊下の角を曲がって走ってくる人影に気がついた。
静寂の空間を切り裂くその影に、サトミは脅えるように床をじっと見つめた。
しかしその足取りは近づくにつれゆっくりとなり、そしてサトミの見つめる処置室の前の床の上で止まった。
サトミの心臓は高鳴った。
それを押さえ込むように、ゆっくりと目線を上に上げていった。
もう、午前一時。
小さく息を吐いたそのとき、廊下の角を曲がって走ってくる人影に気がついた。
静寂の空間を切り裂くその影に、サトミは脅えるように床をじっと見つめた。
しかしその足取りは近づくにつれゆっくりとなり、そしてサトミの見つめる処置室の前の床の上で止まった。
サトミの心臓は高鳴った。
それを押さえ込むように、ゆっくりと目線を上に上げていった。