背中
第十二章 始まりだった
落しものの季節
卒業式。
桜散る坂道の上で、自分の高校生活も終わる。
一体この三年間、自分はこの高校の中で何が出来たのか。
兄の剛速球に負けない直球を自分に向かって投げてくる、投手のケンジを懸命に受け続けた。
自分の才能の限界に挑戦し、殻を打ち破ろうともがいてきた。
しかし悔しいかな、兄やケンジのような溢れ出る才能など自分にはなかった。
兄やケンジのように、大学にいけるほどの頭などなかった。
(野球、やめようかな。)
土門はそう思った。
桜散る坂道の上で、自分の高校生活も終わる。
一体この三年間、自分はこの高校の中で何が出来たのか。
兄の剛速球に負けない直球を自分に向かって投げてくる、投手のケンジを懸命に受け続けた。
自分の才能の限界に挑戦し、殻を打ち破ろうともがいてきた。
しかし悔しいかな、兄やケンジのような溢れ出る才能など自分にはなかった。
兄やケンジのように、大学にいけるほどの頭などなかった。
(野球、やめようかな。)
土門はそう思った。