背中
東京に行く日だって、時間を大事にした。
会社が終わった後。
背広を着たまま。
革のカバンをもったまま。
大きな夢をかかえて。
光り輝く球場。
そう思うことが、自分の逃げ道を絶っていることに気がつかなかった。
そのたった一つの支えたものがなくなったとき。
彼は。
折れた。
会社が終わった後。
背広を着たまま。
革のカバンをもったまま。
大きな夢をかかえて。
光り輝く球場。
そう思うことが、自分の逃げ道を絶っていることに気がつかなかった。
そのたった一つの支えたものがなくなったとき。
彼は。
折れた。